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波Hey!ログ 9月1日

2021/09/01

波Hey!ログ「オリンピックのサーフボード選び」

オリンピックが終わり、少し経ちましたが、今回日本人に馴染みのある千葉のビーチブレイクを舞台に世界のトップサーファーが、どの様なボードを使用していたか、試合の映像などから観てみました。

関東圏のサーファーであればお馴染みの志田下、釣ヶ先。日本の代表的な波質ですので、このエリアでサーフィンをする人だけではなく、日本全国のサーファーの今後のボード選びの参考になるのではないでしょうか?
また今回のオリンピック期間中は大会が始まる前までは、小波のコンディション、ヒートが進むに連れて徐々にサイズアップしていき、最終日にはエキスパートオンリーといっても言い過ぎではないくらいの、台風ウネリのクローズ コンディションへと変わっていきましたね。波のサイズに合わせて、トッププロがどの様なボード、モデルに乗り変えながら、オリンピックを戦っていたのか、よくわかる試合となりました。

まず、第1ラウンドの始まる前日までの練習期間中のコンディションは腹〜腰のスモールコンディション。イタロ(Italo Ferreira)が使用していたサーフボードが印象的でした。モデルなどは不明ですが、アウトラインこそパフォーマンスボードの様ですが、かなり極端なフラットデッキでボード全体に厚みを出して、浮力をギリギリまで残したシェイプに見えます。イタロが脇に抱えている画像から見ると3インチ近い厚みがある様にも見えます。

イタロのボード

初日のヒートが始まると波が徐々にサイズアップして、厚めのブレイクで腹〜胸コンディション。比較的多くの選手はビーチ向けのオールラウンダーを使用していた印象です。
ただモデルはオールラウンダータイプでも、男子選手はEPS素材のボードを多く使用していましたね。オウェン(Owen Wright)はDHDのストリンガーレスの、カーボン・インレイを使用したEPS。ジュリアン(Julian Wilson)はJSもストリンガーレスのHYfi。カノア(カノア五十嵐)は自身のシグネチャーモデルでもあるシャープアイのストームズのE2エポキシーほか、多くの選手がエポキシ製のEPSボードを使用していたのが特徴だったのではないでしょうか?

一方、身体の軽い女子選手では、PU製のサーフボードを使用している選手が男子選手と比べると多かった印象です。

五十嵐カノアのエアー

午後のヒートから2日目に入ると、台風からのウネリを受け、波のサイズがアップしていきましたが、それよりも大きなコンディションの特徴は風がものすごく強くなっていきました。この強く吹く風の方が、サーフボード選びには影響が大きかった様です。

この頃にはEPSのボードを使用する選手もいなくなり、PU製のハイパフォーマンスボード、さらには力のある波を想定したモデルへと変わっていきました。やはりEPSは風の強く吹くコンディションでは風にあおられて、ボードが波を下って行きづらくなる性質があるためだと考えます。
ボードサイズ自体は、それほど長さのあるボードへの変更というよりは、通常のパフォーマンスボードの長さで、モデルのみを変えていっているようでした。

オウェンはDHDのDX1モデル、カノアはシャープアイの#77モデル、女子ではファイナルでビアンカ(Bianca Buitendag)がアルメリック-チャンネルアイランドのルーク15を使用していました。共通してテールデザインはアウトラインをテールにむけて絞り、テールエンドはラウンドもしくはラウンドピンのボードが多かった様にみえます。これは力のある波では波の力を受けすぎずにコントロール性のある定番のデザインですね。

リオ・ワイダと五十嵐カノア

以上オリンピックの映像や情報から覗き見た限られた情報を、簡単に勝手な視点で書いたスタッフのログです。

皆さんのボード選びの参考にしてみてくださいね。